『「好き」を言語化する技術』 (三宅香帆) を読んだ。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の著者であったし、「わかる... 良い本を紹介したいときこそ表現が出てこない!」という体験が数多くあったので、すぐさま購入して2日で読んでしまった。
期待どおり、期待以上の内容であった。読書記録のみならず、音楽・アニメ・映画の良さを自分の言葉で記録したい、「やばいよ」以外の言葉で発信・共有したいという人にオススメする。
「好き」は2つの要素でできている
この2つのどちらかである、という考え方・見方があるだけで、自分の好きを客観的に見やすくなると思う。
- 共感を覚えるかどうか
- 新しさ・驚きがあるか
新しさ、という点で思い出したのが『FACTFULNESS』という本の読書感想。「悪い」とされる状況が、実際には長期的に見れば改善している場合もあり、「悪い」と「良くなっている」は共存しうるという視点は、そのときの自分にとって新鮮だった。
「嫌い」はマイナスかゼロ
- 嫌いなものと一致: 昔から苦手だと感じてきた要素があれば、やっぱり嫌いになる。
- 退屈さ: とくに強い感情が湧かない、いわゆる「±ゼロ」の状態。嫌いというよりは、心が動かない感じ。
言語化とは、細分化。どこまで細かく指定できるか
独自の表現や語彙は不要。とにかく細かく分解する。どこが具体的に好きなのか、きわめて細かいところまで分解する。 たとえばこの本を読んでいたときにハマっていた、相対性理論の「キッズノーリターン」。この曲は6+5拍子という特殊な拍子もさることながら、イントロの軽やかさ・ポップさから引き込まれ、アウトロ部分の32分音符で刻まれるハイハットの連打が心地よくてたまらない。... といった形になるだろうか。
おわりに:次に読む本、次に書く読書記録
「発明」が過去の発明の組合せや改善であることが多いように、「好き嫌い」も過去の自分の組合せあるいはその溝から生まれる感情なのだな、というアナロジー (類似、相似) を思いついたことに、我ながら納得感があった。
本書で紹介されていた、阿部公彦さんの書評にはあたってみたい。導入の惹きつけ方が、実ににくい!
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